オフィス移転・事務所撤去の不用品処分|産業廃棄物の扱い・費用の目安・退去までの段取り
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- オフィスの不用品は家庭ごみではなく、素材によって産業廃棄物と事業系一般廃棄物に分かれます。金属製の机や棚は産業廃棄物、オフィスの紙は事業系一般廃棄物です
- 産業廃棄物の処分を頼むときは、許可業者との書面の契約とマニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付が必要で、どちらも5年間の保存が求められます
- 業務用エアコン・冷蔵庫はフロン回収の引取証明書、機密書類は復元できない方法での廃棄、リース品はリース会社への返却と、別の段取りが要ります
著者:臺 真樹(株式会社パワーセラー代表・創業21年)|当サイトの調査・選定ポリシー
オフィスの移転や事務所の閉鎖では、デスクやキャビネット、椅子、書類、業務用エアコンなど、ふだんは出ない量の不用品がまとめて出ます。家庭の引越しと同じ感覚で「粗大ごみに出せばいい」と考えると、処分の区分を誤ったり、退去日までに片付かなかったりすることがあります。
この記事では、オフィスから出る不用品が産業廃棄物になるのか、事業系一般廃棄物になるのかを、環境省・東京都・埼玉県などの公式な情報をもとに整理します。マニフェストやフロン類の扱い、機密書類やリース品の注意点、退去日までの段取りもあわせて解説します。
結論:品目ごとに「区分」と「行き先」を先に決める
事業活動で出たごみは、事業者が自らの責任で適正に処理しなければなりません(廃棄物処理法第3条)。そのうえで、品目によって区分と処分の流れが変わります。主な品目をまとめると次のとおりです。
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| 品目 | 区分・扱い | 処分の流れ |
|---|---|---|
| スチールデスク・ロッカー・棚 | 産業廃棄物(金属くず) | 産業廃棄物収集運搬業の許可業者に委託。書面の契約とマニフェストが必要 |
| プラスチック製品 | 産業廃棄物(廃プラスチック類) | 同上 |
| 木製の机・棚 | 一般のオフィスなら事業系一般廃棄物(木くずが産業廃棄物になるのは建設業・木製品製造業などに限られるため) | 市区町村の施設へ自分で運ぶか、一般廃棄物収集運搬業の許可業者に委託 |
| 書類・紙 | 事業系一般廃棄物 | 機密書類は復元できない方法(溶解・シュレッダーなど)で処分 |
| 業務用エアコン・冷蔵庫 | フロン排出抑制法の第一種特定製品 | 先に第一種フロン類充塡回収業者がフロンを回収。引取証明書を3年間保存 |
| パソコン・HDD | 廃棄の前にデータの消去 | 専用ソフトでの消去や物理的な破壊 |
| リース品(複合機など) | 処分せず返却 | リース会社の指示に従って返す |
※2026年10月21日に、東京都環境局・埼玉県・さいたま市・飯能市・環境省・個人情報保護委員会の公式資料で確認した内容です(出典は下の「注意点」に記載)。木と金属が組み合わさった家具など、素材が混ざった物は扱いが分かれることがあるため、自治体や処分業者に確認してください。
ポイントは、「捨てる物」だけでなく「返す物」「売る物」「消す物(データ)」を最初に分けておくことです。ここを後回しにすると、退去日直前にリース品を処分しかけたり、フロン回収の手配が間に合わなかったりします。
退去日までの段取り 8つのステップ
当社が事務所の撤去のご相談を受けるときにお伝えしている順番です。退去日から逆算して、早めに動き出しましょう。
- 賃貸借契約を確認する:退去日と、どこまで元に戻して返すか(原状回復の範囲)を確かめます。間仕切りや造作を撤去する必要があるかで、作業の量が大きく変わります
- 品目のリストを作る:移転先へ運ぶ物、売る物、返す物、捨てる物に分けます。リース品は管理番号のシールなどで見分けます
- リース会社・レンタル会社に連絡する:返却の方法と引き取りの日を決めます
- 機密書類とデータの処分方法を決める:書類は溶解やシュレッダー、パソコンはデータ消去の方法と、証明書の有無を確認します
- フロン類を使った機器を確認する:業務用エアコンや業務用冷蔵庫の銘板を見て、フロン回収の手配をします
- 処分業者の見積もりを取り、許可を確かめる:産業廃棄物の許可証で、許可の期限・品目・地域を確認し、書面で契約します
- 搬出の日程を決める:ビルによっては管理会社への作業の届け出やエレベーターの使用予約が必要です。退去日の数日前に終わる日程にしておくと安心です
- 書類を保管する:委託契約書・マニフェストは5年間、フロンの引取証明書は3年間保存します
原状回復とスケルトン返しの違いは「店舗の原状回復とスケルトン返しの違い」で、品目ごとの処分方法は「オフィス家具の処分方法5選」で詳しく解説しています。
処分の方法を比較
| 市区町村の施設へ自分で運ぶ | 許可業者に委託 | 買取・リユース | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 事業系一般廃棄物(受け入れる品目は市区町村ごとに違う) | 産業廃棄物・事業系一般廃棄物(それぞれの許可が必要) | 状態のよい家具・事務機器 |
| 手続き | 事前の申込や書類が要る施設がある | 委託契約書・マニフェスト | 古物商の許可を持つ業者が査定 |
| 運び出し | 自分で積んで運ぶ | 事務所の中から搬出まで任せられる | 業者による |
| 費用 | 施設の処理手数料のみ | 量・品目・搬出条件に応じた料金 | 処分費と相殺できることがある |
| 向いている | 少量で、車と人手がある | 量が多い・退去日が迫っている | 年式が新しい家具や機器がある |
実際には、売れる物を先に査定し、残りを許可業者にまとめて任せる組み合わせが多くなります。業者の許可の種類と見方は「不用品回収業者の許可の見方」で解説しています。
オフィスの不用品処分で気をつけたい5つの注意点
1. 産業廃棄物か事業系一般廃棄物かは「品目」と「業種」で決まる
東京都環境局のガイドブックは、産業廃棄物を「事業活動から出てきた廃棄物であって法律で列挙するもの」と説明し、それ以外は一般廃棄物として区市町村が処理するとしています。同じ資料ではオフィスから出る紙は事業系一般廃棄物とされています(東京都環境局「産業廃棄物適正処理ガイドブック概要版」)。さいたま市の資料では、紙くずや木くずが産業廃棄物になるのは建設業や木製品製造業など特定の業種から出た場合に限られています(さいたま市「事業系一般廃棄物の処理について」令和5年度)。一方、金属製の机や棚は、飯能市が「事務所で使用した机や棚(金属製)」を産業廃棄物の例に挙げています(飯能市 クリーンセンター 令和6年4月〜)。
2. 産業廃棄物は書面の契約とマニフェストが必要
埼玉県の排出事業者向けの案内では、産業廃棄物の処理は排出者(ごみを出した事業者)の責任で、委託した廃棄物の最終処分が終わるまで責任が続くとされています。委託するときは、許可証で許可の期限・区分・品目・地域を確かめ、収集運搬業者・処分業者とそれぞれ書面で契約します。マニフェスト(廃棄物の流れを確認する伝票)は廃棄物を引き渡すときに交付し、契約書・許可証の写し・マニフェストはいずれも5年間保存します。紙のマニフェストを交付した事業者は、毎年6月30日までに県へ交付等状況報告書を出す必要があります(埼玉県 環境部 産業廃棄物指導課 2024年5月)。
3. 業務用エアコン・冷蔵庫はフロン回収が先
環境省によると、フロン排出抑制法の対象は業務用として製造・販売されたエアコンや冷凍・冷蔵機器で、家庭用は対象外です。見分けるには室外機などの銘板やシールを確認します。廃棄するときは、第一種フロン類充塡回収業者にフロンを引き渡し、回収後に受け取る引取証明書を3年間保存します。回収を頼んでから30日以内(建物の解体のときは90日以内)に引取証明書が届かなければ、都道府県知事への報告が必要です。また、フロン回収が確認できない機器を引き取ることは違法とされています(環境省「機器の廃棄」、環境省 FAQ)。詳しくは「業務用エアコンの処分」「業務用冷蔵庫のフロン回収」をご覧ください。
4. 機密書類とパソコンは復元できない方法で
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、個人データを削除したり、記録された機器や電子媒体を廃棄したりするときは、復元できない手段で行うことを求めています。手法の例として、書類は焼却・溶解・適切なシュレッダー処理、機器は専用のデータ削除ソフトウェアや物理的な破壊が挙げられ、作業を委託するときは証明書などで確実に削除・廃棄されたことを確認することも重要とされています(個人情報保護委員会)。書類の処分方法は「個人情報入り書類の安全な処分方法」も参考にしてください。
5. リース品は処分しないで返却する
リース品の持ち主は、使っている会社ではなくリース会社です。公益社団法人リース事業協会のQ&Aでも、業務用エアコンなどのリース物件は、リース期間が終わるとユーザーがリース会社に返還し、リース会社が所有者として廃棄を行うと説明しています(リース事業協会「改正フロン排出抑制法に関するQ&A」2020年)。移転のタイミングがリース期間の途中なら、契約書で解約や移設の扱いを確認し、処分する物のリストからは必ず外しておきましょう。
費用の考え方と当社の事例
オフィスの不用品処分の費用について、公的な統計は見つかりませんでした。業者に頼む場合の金額は、主に次の点で決まります。
- 品目と量:トラック何台分か、産業廃棄物と事業系一般廃棄物がどれだけあるか
- 搬出の条件:階数、エレベーターの有無と大きさ、トラックを停める場所、作業できる時間帯
- 解体の有無:組み立て式の棚や大型の机を室内で解体する必要があるか
- フロン回収や書類の処理:業務用エアコンや機密書類があるか
- 買取できる物:売れる家具や機器があれば、回収料金と相殺できます
参考として、当社が公開している撤去の事例を紹介します。いずれも事業所ではなく住宅の事例ですが、搬出の条件で人数や金額が変わる目安になります。
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※当社の公開事例の金額です(2026年10月21日確認)。住宅の事例のため、事業所の産業廃棄物の処分費とは条件が異なります。一般的な相場ではありません。
当社は産業廃棄物収集運搬業の許可(東京都 第1300150656号/埼玉県 01102150656/千葉県 第01200150656号/神奈川県 01400150656)と古物商許可(431090015198)を持ち、事業所の不用品の回収と買取をまとめてご相談いただけます。写真でのお見積もりに対応し、現地で点数が変わった場合は作業前に金額をご提示し、作業後に追加で請求することはありません。トラック単位の料金の考え方は「積み放題の料金相場」で比べています。
よくある質問
Q. 少しだけなら、事務所の不用品を家庭の粗大ごみに出してもいいですか?
事業活動で出たごみは、事業者が自らの責任で処理するのが原則で(廃棄物処理法第3条)、家庭ごみと同じ出し方ができるとは限りません。さいたま市の資料でも、家庭ごみは「市が回収する」のに対し、事業系一般廃棄物は「自分で運ぶ」か「契約した業者に運搬してもらう」と区別されています。受け入れ方法は市区町村ごとに違うため、事務所のある市区町村の案内を確認してください。
Q. マニフェストは誰が用意するのですか?
マニフェストは、ごみを出す側(排出事業者)が、産業廃棄物を業者に引き渡すときに交付します。返ってきたマニフェストで処理が終わったことを確かめ、5年間保存します。業者に任せきりにせず、見積もりの段階で「どの品目を産業廃棄物として扱うか」「マニフェストはどうするか」を確認しておきましょう。
Q. 業務用エアコンを取り外して、ほかの不用品と一緒に処分できますか?
先にフロン類の回収が必要です。環境省は、引取証明書の写しや回収依頼書などを受け取らずに機器を引き取ることは違法になると説明しています。フロン回収と機器の引き取りの段取りを、同じ見積もりの中で確認しておくと退去日に間に合わせやすくなります。
Q. まだ使えるオフィス家具は売れますか?
年式が新しく状態のよいデスクやチェア、キャビネット、事務機器は、買取の対象になることがあります。当社では買取できる物の金額を回収料金と相殺してお見積もりします。品目ごとの目安は「スチールデスク・事務機の処分方法」「複合機・業務用コピー機の処分方法」「中古の家具・家電は新品の何%?」をご覧ください。
まとめ
オフィス移転や事務所撤去の不用品は、金属製・プラスチック製の物は産業廃棄物、紙や一般のオフィスの木製家具は事業系一般廃棄物と、品目によって区分が分かれます。産業廃棄物を委託するときは許可の確認、書面の契約、マニフェストの交付と5年保存が必要です。
業務用エアコン・冷蔵庫のフロン回収、機密書類とデータの消去、リース品の返却は別の段取りになるため、品目リストを作った時点で「捨てる・返す・売る・消す」に分けておくと退去日に間に合わせやすくなります。パワーセラーでは、事務所の中からの運び出し、室内での解体、買取との相殺、写真でのお見積もりまで承っています。
オフィス移転・事務所撤去の不用品処分はご相談ください
事務所の写真と品目のリストを送っていただければ、お見積もりと作業日をまとめてご案内します。退去日が決まっている方は、日程に余裕を持ってご相談ください。
この記事を書いた人

著者プロフィール
私、株式会社パワーセラー代表取締役の臺 真樹(うてな しんじ)が本記事を執筆・監修しています。2005年の創業以来20年以上、自ら現場に立ち、累計で数十万件規模の不用品回収・買取・遺品整理に携わってきました。本記事は、事務所や店舗の撤去・不用品処分のご相談に日々対応している現場経験と、環境省・東京都・埼玉県などの公式資料の確認結果をもとにまとめています。あいおいニッセイ同和損保(上限1億円)加入、古物商許可431090015198・産業廃棄物収集運搬業許可(法人・事業所の廃棄物:東京都 第1300150656号/埼玉県 01102150656/千葉県 第01200150656号/神奈川県 01400150656)保有。代表はNPO法人ロータスチルドレンの理事として、マニラのスラム街で教育支援「TERAKOYA」を運営。詳しいプロフィールはこちら|当サイトの調査・選定ポリシー
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