生前整理の進め方と費用|何から始める?自分でやる範囲と業者に頼む範囲
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- 生前整理は「重要書類・貴重品」→「デジタル」→「思い出の品」→「大型家具・家電」の順に進めると、捨ててはいけない物を守りやすくなります
- スマホのロック解除やネットの契約は、本人以外が後から確かめるのが難しいと国民生活センターが注意を呼びかけています。元気なうちの準備が大切です
- 仕分けと書類の整理は自分で、大型家具の運び出し・大量の処分・供養は業者に、と分けると負担と費用を抑えられます
著者:臺 真樹(株式会社パワーセラー代表・創業21年)|当サイトの調査・選定ポリシー
「子どもに片付けの苦労を残したくない」「施設に入る前に家の中を整理しておきたい」――そう思って生前整理を始めようとしても、物が多すぎて何から手を付ければよいか分からないという方は少なくありません。勢いで捨て始めると、通帳や保険の書類、家族が残したかった写真まで一緒に処分してしまうこともあります。
この記事では、生前整理を何から始めて、どの順番で進めればよいかを、国民生活センターや法務局などの公的な情報とあわせて解説します。自分でやる範囲と業者に頼む範囲の分け方、費用の考え方も、不用品回収・遺品整理の現場に立つ立場からまとめました。
結論:「守る物」から先に分け、運び出しは最後にまとめる
生前整理は、いきなり捨てるのではなく、なくなると困る物を先に確保してから、量の多い物を減らしていくのが基本です。作業ごとに、自分でやる部分と業者に頼める部分を整理すると次のようになります。
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| 作業 | 自分(家族)でやること | 業者に頼めること |
|---|---|---|
| 重要書類・貴重品 | 本人が探して1か所にまとめる(通帳・印鑑・保険証券・権利証・年金の書類など) | 作業中に見つかった物を取り分けて渡してもらう |
| デジタルの整理 | 本人にしかできない(ロック解除の方法、契約中のサービスの一覧) | ― |
| エンディングノート | 本人が書く。家族と置き場所を共有する | ― |
| 残す・譲る・売る・捨てるの仕分け | 判断は本人と家族で。小物は少しずつ | 買取できる物の査定、量が多いときの仕分けの手伝い |
| 思い出の品・仏壇・人形 | 残す物と手放す物を決める | お焚き上げ供養 |
| 大型家具・家電・大量の処分 | 数点なら市区の粗大ごみ・家電リサイクル | 2階からの運び出し、室内での解体、1軒分の一括撤去 |
※2026年10月21日時点の当社の考え方です。業者によって対応できる範囲は異なります。
表のとおり、書類・デジタル・仕分けの判断は本人にしかできない部分です。逆に、重い物の運び出しや大量の処分は、体力とトラックが必要なので業者に任せた方が早く安全に終わります。
生前整理の進め方 7つのステップ
当社が生前整理のご相談を受けるときにお伝えしている順番です。1日で全部やろうとせず、1か所ずつ進めるのが続けるコツです。
- 目的と期限を決める:施設への入居、住み替え、「家族に負担を残さない」など、目的によって残す量が変わります。入居日や引越し日があるなら、そこから逆算して予定を立てます
- 重要書類と貴重品を1か所にまとめる:通帳、印鑑、保険証券、年金の書類、不動産の権利証、各種の契約書などを探し、保管場所を決めます。ここが終わるまでは物を捨てないのが鉄則です
- エンディングノートを書く:財産や契約、連絡してほしい人、介護や葬儀の希望などを書き残すノートです。自治体や法務局が無料で配っているものもあります
- デジタルの整理をする:スマートフォンやパソコンのロック解除の方法、ネット銀行やサブスク(月額などで支払い続ける契約)の一覧を、家族が分かる形で残します
- 残す・譲る・売る・捨てるに分ける:衣類、食器、本など量の多い物から。迷う物は「保留」の箱を作り、期限を決めて見直します
- 思い出の品・仏壇・人形の行き先を決める:写真は家族と相談して残す分を選び、仏壇や人形はそのまま捨てるのに抵抗があれば供養を考えます
- 大型家具・家電をまとめて処分する:数点なら市区の粗大ごみ、量が多い・運び出せない場合は業者に。売れる物は買取で処分費と相殺できることがあります
親が施設へ入る時期が決まっている場合の段取りは「親が施設へ入居するときの実家片付け」で、年内に終えたい場合の予約の目安は「年内に処分するには何月までに予約?」で詳しく解説しています。
自分でやる・家族とやる・業者に頼むを比較
| 自分ひとりで | 家族と一緒に | 業者に頼む | |
|---|---|---|---|
| 費用 | 粗大ごみ代など最小限 | 粗大ごみ代など最小限 | 量・人数・搬出条件に応じた料金 |
| かかる時間 | 数か月〜年単位になりやすい | 家族の休みに合わせて少しずつ | 1軒分でも1日で終わることがある |
| 大型家具・2階 | 運び出せないことが多い | ケガや建物の傷に注意 | 運び出し・吊り下げ・室内での解体 |
| 判断の早さ | 迷って止まりやすい | 相談しながら決められる | 判断は本人・家族が行う |
| 向いている人 | 体力があり、期限に余裕がある | 形見分けや残す物を家族と決めたい | 量が多い・期限がある・遠方に住んでいる |
おすすめは、仕分けと書類の整理までを本人と家族で進め、最後の運び出しと処分だけを業者に頼む組み合わせです。業者に頼む量が減るほど費用も下がります。遺品整理との違いは「遺品整理と不用品回収の違い」も参考にしてください。
生前整理で気をつけたい4つの注意点
1. 残す物は「処分の前」にはっきり分ける
国民生活センターは、遺品整理サービスの契約トラブルとして「処分しないようにと頼んだ物を勝手に処分された」という相談事例を紹介し、残しておく物と処分する物を明確に分けておくよう助言しています(国民生活センター 2018年7月19日公表)。同じ発表では、全国の消費生活センターに寄せられた遺品整理サービスの相談が2013年度の73件から2017年度は105件に増えていました。生前整理でも同じで、残す物は別の部屋や箱に移し、「この部屋の物は触らない」と分かる形にしておくと安心です。
2. スマホとネットの契約は元気なうちに
国民生活センターは「デジタル終活」として、故人のスマホやパソコンのパスワードが分からない場合、第三者がロックを解除するのは困難で、サブスクは解約手続きをしない限り請求が続くと注意しています(国民生活センター 2024年11月20日公表)。助言は次の4つです。
- 家族がスマホやパソコンのロックを解除できるように準備しておく
- ネット上の資産やサブスクのサービス名・ID・パスワードを整理しておく
- エンディングノートの活用を考える
- 万一のときにアカウントにアクセスできる人を指定できるサービスを使う
同センターの「見守り新鮮情報 第505号」では、パスワードを名刺大の紙に書いて修正テープで隠した「スマホのスペアキー」を作り、家族が見つけられる場所にしまっておく方法も紹介しています。古いスマホやパソコンを処分するのは、中のデータと契約を確かめてからにしましょう。
3. エンディングノートは遺言の代わりにならない
エンディングノートは、自治体や法務局が無料で配っています。たとえばさいたま地方法務局は埼玉司法書士会と共同で、相続・遺言・後見を中心にしたノートをPDFで公開しています(さいたま地方法務局)。杉並区も区のノートを無料で配布・公開していますが、「法的な効力はないので遺言書にはならない」と案内しています(杉並区)。財産の分け方を決めておきたい場合は遺言書を作り、自筆の遺言書なら法務局で預かってもらえる「自筆証書遺言書保管制度」も使えます。
4. 業者は許可と見積書で選ぶ
埼玉県の消費生活支援センターは、家庭の不用品の回収を事業者に頼むときは市町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」を受けた事業者を選ぶこと、契約前に料金・作業内容・事業者の名称と連絡先・解約料を確かめること、領収書や明細を受け取ることを呼びかけています(埼玉県 2026年2月19日掲載)。前述の国民生活センターの発表でも、見積もりの2倍の費用を請求された事例や高額なキャンセル料の事例が挙がっており、複数社から見積もりを取ることが勧められています。許可の確かめ方は「不用品回収業者の許可の見方」で解説しています。
生前整理の費用の考え方と当社の事例
生前整理の費用について、公的な統計は見つかりませんでした。業者に頼む場合の金額は、主に次の4つで決まります。
- 物の量:トラック何台分になるか
- 作業の人数と時間:家具の大きさや部屋数で変わります
- 運び出しの条件:階数、エレベーターの有無、階段の幅、トラックを停める場所
- 供養や買取:お焚き上げ供養を頼むと費用が加わり、売れる物があれば回収料金と相殺できます
参考として、当社が公開している片付けの事例を紹介します。いずれも生前整理の最後の段階にあたる「家財の運び出し・処分」の例です。
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※当社の公開事例の金額です(2026年10月21日確認)。物の量や搬出条件によって金額は変わります。一般的な相場ではありません。
同じ「1軒分」でも、事前に仕分けが済んでいてトラックの台数が少なければ、そのぶん費用は下がります。当社では写真でのお見積もりに対応しており、現地で点数が変わった場合は作業前に金額をご提示し、作業後に追加で請求することはありません。家の広さ別の相場は「片付け・遺品整理の費用相場」、まだ使える家具・家電の値段の目安は「中古の家具・家電は新品の何%?」で紹介しています。
よくある質問
Q. 生前整理は何歳ごろから始めればよいですか?
決まった年齢はありません。退職、子どもの独立、施設への入居や住み替えの検討などがきっかけになることが多いです。重い家具を動かしたり、書類の場所を思い出したりするには体力と記憶力が要るため、「まだ早い」と思ううちに書類とデジタルの整理だけでも始めておくと後が楽になります。
Q. 生前整理と遺品整理は何が違いますか?
生前整理は本人が元気なうちに自分で判断して進める片付けで、遺品整理は亡くなった後に家族が行う片付けです。生前整理なら、本人が残す物・譲る物を決められ、契約やパスワードの確認もできます。詳しくは「遺品整理と不用品回収の違い」をご覧ください。
Q. 家族が遠方に住んでいて、作業に立ち会えません
当社では、立ち会いなしで作業し、作業前と作業後の写真でご報告する方法にも対応しています。残す物は事前に別の部屋にまとめるか、写真で指示していただくと確実です。空き家の売却や解体を控えている場合は「空き家を売却・解体する前の片付け」も参考にしてください。
Q. 仏壇や人形はどうすればよいですか?
菩提寺がある場合はまず相談するのが一般的です。当社では、仏壇や人形などをお焚き上げで供養し、供養証明書を郵送でお届けしています。家財の撤去と同じ日にまとめて引き取ることもできます。
まとめ
生前整理は、重要書類と貴重品を確保し、デジタルの契約を家族に分かる形で残し、それから物を減らす順番で進めるのが安全です。エンディングノートは自治体や法務局のものが無料で使えますが、遺言の代わりにはならない点に注意しましょう。
仕分けまでを本人と家族で進め、重い家具の運び出しや大量の処分、供養を業者に任せると、体の負担と費用の両方を抑えられます。パワーセラーでは、写真でのお見積もり、2階からの運び出しや吊り下げ、室内での解体、お焚き上げ供養、買取との相殺まで承っています。
生前整理・実家の片付けのご相談はお気軽に
お部屋や家具のお写真を送っていただければ、お見積もりと作業日をまとめてご案内します。「残す物の分け方から相談したい」「立ち会えない」といったご相談も承ります。
この記事を書いた人

著者プロフィール
私、株式会社パワーセラー代表取締役の臺 真樹(うてな しんじ)が本記事を執筆・監修しています。2005年の創業以来20年以上、自ら現場に立ち、累計で数十万件規模の不用品回収・買取・遺品整理に携わってきました。本記事は、生前整理や実家の片付けのご相談に日々対応している現場経験と、国民生活センター・法務局・自治体の公式情報の確認結果をもとにまとめています。あいおいニッセイ同和損保(上限1億円)加入、古物商許可431090015198・産業廃棄物収集運搬業許可(法人・事業所の廃棄物:東京都 第1300150656号/埼玉県 01102150656/千葉県 第01200150656号/神奈川県 01400150656)保有。代表はNPO法人ロータスチルドレンの理事として、マニラのスラム街で教育支援「TERAKOYA」を運営。詳しいプロフィールはこちら|当サイトの調査・選定ポリシー
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