遺品整理と不用品回収の違い|残す物・探す物から解説

遺品整理と不用品回収の違いは、「亡くなった方の物を扱うかどうか」だけではありません。

実際の現場で大きく違うのは、処分する前に探す物・残す物があるかです。

不用品回収は、不要と決まった家具や家電などを搬出する仕事が中心です。一方、遺品整理では、遺言書、通帳、現金、保険証書、鍵、写真などを確認しながら、残す物と処分する物を分ける必要があります。

遺品整理前のキッチンに生活用品が残っている様子
遺品整理・実家片付けのキッチン。生活用品が残っている場合は、処分前に必要品や返却品がないか確認します。
遺品整理前の居間に家財が残っている様子
遺品整理・実家片付け前の居間。家具や生活用品の中から、残す物・探す物・処分する物を分けていきます。

一番の違いは「捨てる前の確認」

家族がすでに必要な物をすべて取り出し、「室内に残った物は全部処分してよい」という状態であれば、不用品回収に近い作業になります。

反対に、家の中に何があるか分からず、貴重品や重要書類を探しながら進める場合は、単純な搬出ではなく仕分け作業が必要です。

そのため、当社では「遺品整理」という名称だけで判断するのではなく、どこまで家族による確認が終わっているかを確認して作業内容を決めます。

片付けで捨ててはいけない物

当社の片付け現場では、次のような物は処分せず、見つけた場合に分けて保管する対象になります。

種類具体例
相続・財産関係遺言書、通帳、現金などの財産、クレジットカード
契約・公的書類仕事の契約書、身分証明書、支払通知書、引き落とし明細、年金手帳、生命保険証書
生活に関わる物鍵、レンタル・リース品
家族に残す物手紙、写真、思い出の品、人形など

特にレンタル・リース品は所有物ではないため、処分せず返却が必要になることがあります。

家族から「何か価値のある物が出たら残してほしい」だけでなく、「写真は全部残す」「この人形は捨てない」「契約書類を探してほしい」など、具体的に指定されることもあります。

実家片付け前の居間に家具や生活用品が残っている現場
片付け前の居間。親の家を閉じる場合は、家族が引き取る物と処分する物を先に分けることがあります。

家族から多い依頼

遺品整理や実家の片付けでは、処分だけでなく、一部の家財を家族の自宅へ運んでほしいという依頼があります。

たとえば、親の家を閉じる際に、タンス、家具、思い出の品など一部だけを子どもの自宅へ運び、残りを片付けるケースです。

そのため、業者を選ぶ際は「捨てる物の搬出」だけでなく、「残す物を別の住所へ運搬できるか」も確認すると、一度の手配で進めやすくなります。

遺品整理と残置物撤去が完了した室内
片付け完了後の室内。親族による確認が済んでいる案件では、立会いなしで作業し、完了状況を写真で共有することもあります。

立会いなしの案件もある

遺品整理だからといって、必ず親族が作業中ずっと立ち会うわけではありません。

当社では、不動産会社から依頼を受けた案件や、親族による遺品・貴重品の確認がすでに終わっている案件では、立会いなしで片付けを進める場合があります。

不動産案件では、鍵や入室方法、作業範囲を事前に確認し、作業後の写真で完了状況を共有する進め方もあります。

一方、まだ探している物がある場合は、作業前に「何を残すのか」「何を探すのか」を具体的に共有しておくことが重要です。

孤独死の現場は事前確認が重要

立会いなしの片付けの中には、孤独死があった住居の案件もあります。

このような現場では、通常の遺品整理や残置物撤去と同じ前提で進めず、室内の状況を事前に確認したうえで、どこまでの作業が必要かを判断します。

依頼時には、室内状況を分かる範囲で伝えておくと、その後の見積もりや作業方法を決めやすくなります。

遺品整理業者だから作業が全く違うわけではない

遺品整理専門業者の中には、形見分け、供養、生前整理、相続相談、不動産売買などを含めたサービスを提供している会社があります。

ただ、家の片付けという現場作業では、家具・家電・生活用品を仕分けし、必要な物を残し、再利用できる物を分け、不要な物を搬出する作業が大きな割合を占めます。

そのため、遺品整理に対応する片付け業者や一定規模の不用品回収業者でも、同じような作業を行う場合があります。業者ごとの役割の違いは、片付け業者と不用品回収業者の違いでも解説しています。

買取で片付け費用を抑えられる場合も

家財の中に再販できる家具や家電などがあれば、買取分を片付け費用から差し引ける場合があります。

当社の既存事例では、片付け費用21万円に対して買取合計3万7,500円を差し引き、実質17万2,500円になったケースもあります。

ただし、この記事の目的は高く売る方法ではなく、遺品整理と片付けを同時に進める際に、処分一辺倒にしない考え方を紹介することです。

遺品整理を依頼する前に決めること

  • 探してほしい物は何か
  • 必ず残す物は何か
  • 家族の自宅へ運ぶ物はあるか
  • 買取査定してほしい物はあるか
  • レンタル・リース品はないか
  • 親族による確認はどこまで終わっているか
  • 作業当日に立ち会うか

この内容を先に共有しておくと、作業員側も「全部撤去」なのか「確認しながら仕分け」なのかを判断しやすくなります。

費用は別記事で解説

片付け費用は、物量、作業人数、搬出条件、仕分け量などによって変わります。

片付け業者の費用と安く済ませる方法で詳しく解説しています。

よくある質問

Q遺品整理と不用品回収の一番大きな違いは何ですか?
A現場では「処分前に探す物・残す物があるか」が大きな違いです。家族による確認が終わり、残った物をすべて処分してよい状態なら、不用品回収に近い作業になります。
Q遺品整理では何を探してもらえますか?
A遺言書、通帳、現金、契約書、保険証書、鍵、写真など、事前に指定された物を確認しながら仕分けできます。探している物がある場合は見積もり時に具体的に伝えてください。
Q親の家具を自分の家まで運んでもらえますか?
A運搬に対応する業者であれば可能です。当社でも、親の家を閉じる際に一部の大型家具などを家族の自宅へ運び、残りを片付ける依頼があります。
Q作業日に立ち会えなくても依頼できますか?
A事前に作業範囲と残す物の確認が済んでいれば、立会いなしで進められる場合があります。不動産会社からの依頼や、親族による遺品確認が完了した案件では、鍵・入室方法を確認して進めるケースがあります。
Qレンタル品やリース品を見つけたらどうしますか?
A所有物ではない可能性があるため、処分せず分けて保管します。機器や書類から契約先を確認し、返却方法を確認してください。

まとめ

遺品整理と不用品回収は、現場作業として重なる部分が多くあります。

大きな違いは、捨てる前に遺言書・通帳・契約書・鍵・写真などを探し、家族へ残す物を分ける必要があるかです。

親族による確認が終わっていれば、立会いなしで残置物をまとめて撤去する案件もあります。一方、まだ必要な物を探す段階なら、仕分けから対応できる業者を選ぶ方が向いています。

実家や一軒家の片付けを仕分けからまとめて依頼する場合は、遺品の片づけ・整理を依頼するをご確認ください。

株式会社パワーセラー代表 臺真樹

著者:臺 真樹(うてな しんじ)
株式会社パワーセラー代表。創業21年(2005年創業)の不用品回収・買取業界で「捨てずに活かす」を実践。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など多数のメディア出演実績あり。あいおいニッセイ同和損保(上限1億円)加入、古物商許可431090015198・産業廃棄物収集運搬業許可(東京都 第1300150656号/埼玉県 01102150656/千葉県 第01200150656号/神奈川県 01400150656)・第一種フロン類充塡回収業者登録(東京都 13106584/埼玉県 第12270040号/千葉県 12A114125号/神奈川県 神(気水) 第1-3724号)保有。代表はNPO法人ロータスチルドレンの理事として、マニラのスラム街で教育支援「TERAKOYA」を運営。詳細はこちら当サイトの調査・選定ポリシー

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