業務用冷蔵庫のフロン回収|引取証明書と業者選びの注意点

閉店や厨房機器の入れ替えで業務用冷蔵庫を処分するとき、「回収業者に引き取ってもらえば終わり」と思われがちです。しかし冷媒にフロン類が使われている機器は、法律上、登録を受けた業者でなければフロン類を回収できません。

そして厄介なのは、この手続きを怠ったときに責任を問われるのが、回収業者だけでなく機器を廃棄する側でもあるという点です。頼んだ業者が登録を持っていなかった場合、困るのは店舗のオーナー様ということになります。

この記事では、どの機器がフロン回収の対象になるのか、誰が回収できるのか、引取証明書とは何かを整理します。金額については厨房機器・業務用冷蔵庫の回収料金のページに機器別の料金表を掲載していますので、そちらをご覧ください。

フロン回収が必要な機器・不要な機器

対象となるのは「第一種特定製品」と呼ばれる、業務用のエアコンおよび業務用の冷凍冷蔵機器のうち、冷媒としてフロン類が使われているものです。厨房でよく使われる機器を分けると次のようになります。

フロン回収が必要フロン回収は不要
業務用冷蔵庫・冷凍庫ガステーブル・ガスコンロ
コールドテーブル(台下冷凍冷蔵庫)フライヤー
冷蔵ショーケース・ビールショーケースコンベクションオーブン
冷凍ストッカー業務用食洗機
製氷機ステンレス作業台・シンク
業務用エアコン・スポットクーラーゆで麺機

見分け方はシンプルで、冷やす機器かどうかです。熱を加える機器と、水を使うだけの什器は対象外になります。同じ厨房に並んでいても、コールドテーブルは回収が必要で、隣のステンレス作業台は不要、という分かれ方をします。

店舗厨房に並ぶコールドテーブルとステンレス作業台
同じ厨房設備でも、コールドテーブルはフロン回収が必要、ステンレス作業台は不要です

それぞれの機器の処分方法は個別に解説しています。冷蔵ショーケース、冷凍ストッカー、製氷機は対象機器です。一方で業務用食洗機とフライヤーはフロンを含まないため、この記事の手続きは不要です。

家庭用の冷蔵庫を店舗で使っていた場合は別の法律になります

間違えやすいのがこのケースです。小さな店舗では家庭用の冷蔵庫を厨房で使っていることがありますが、この場合は業務で使っていても機器そのものが家庭用のため、フロン排出抑制法ではなく家電リサイクル法の対象となり、リサイクル料金を支払って処分することになります。

逆に業務用冷蔵庫は家電リサイクル法の対象外です。家電量販店や自治体の指定引取場所には持ち込めません。

フロン類を回収できるのは登録を受けた業者だけです

フロン類の充塡・回収を業として行うには、第一種フロン類充塡回収業者としての登録が必要です。ここで重要なのは、この登録が業を行う都道府県ごとに受けるものだという点です。

つまり東京都で登録を受けていても、その登録のまま埼玉県の店舗でフロン回収を行うことはできません。県内に事業所があるかどうかは関係なく、業を行う区域ごとに、その都道府県知事の登録が必要になります。

複数の都県にまたがって営業している不用品回収業者であっても、全域で自社対応できるとは限らないのはこのためです。多くの場合、フロン回収だけを別の専門業者に外注することになります。

当社は4都県で登録を受けています

パワーセラーは、対応エリアである東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県のすべてで第一種フロン類充塡回収業者の登録を受けています。

都道府県第一種フロン類充塡回収業者 登録番号
東京都13106584
埼玉県第12270040号
神奈川県神(気水) 第1-3724号
千葉県12A114125号
フロン類を含む冷凍ストッカーを搬出する当社スタッフ
冷凍ストッカーはフロン類の回収が必要な機器です。回収から引取証明書の発行まで自社で対応します

産業廃棄物収集運搬業の許可と併せて保有しているため、フロン類の回収から機器の搬出・処分、引取証明書の発行まで、外注せず自社で完結します。別業者を手配していただく必要も、日程を二重に調整していただく必要もありません。

引取証明書とは何か

機器を廃棄する際、廃棄する側(廃棄等実施者)は回収業者に行程管理票を交付します。これに対して回収業者がフロン類を回収し、回収した旨を記載して発行するのが引取証明書です。

つまり引取証明書は、「この機器のフロンは、登録を受けた業者が法律どおりに回収しました」という記録になります。交付された引取証明書には3年間の保存義務があります(フロン類の回収を委託したときの行程管理票の写しも同じく3年間です)。また、回収を委託したのに引取証明書が交付されない場合は、通常30日以内(建物の解体に伴う場合は90日以内)に都道府県知事へ報告する必要があります。保存義務・報告義務のいずれも、違反すると罰金の対象になり得ます。

フロン類の回収を、登録を受けていない業者に引き渡すことは認められていません。第一種特定製品の廃棄等実施者にはフロン類を第一種フロン類充塡回収業者へ引き渡す義務があり、違反した場合は都道府県知事による勧告・命令の対象となり、50万円以下の罰金が科される可能性があります。「無料で引き取ります」という業者に任せた場合でも、責任を問われるのは機器を廃棄した側です。

当社では引取証明書の発行に対応しています(別途料金がかかります)。

業者に依頼する前に確認したい3点

1. フロン類充塡回収業者の登録番号を出せるか

「フロン回収もできます」という言葉だけでなく、登録番号を確認してください。登録番号は各都道府県が登録簿を公開しているため、実在するかどうかを誰でも確認できます。そして作業を行う都道府県の登録であるかも併せて見てください。

2. 産業廃棄物収集運搬業の許可があるか

店舗から出る厨房機器は産業廃棄物にあたるため、フロン回収とは別に、産業廃棄物収集運搬業の許可も必要です。フロンの登録だけでは機器そのものを運べません。

3. 引取証明書を発行してもらえるか

発行できるかどうかを、見積もりの段階で確認しておいてください。発行に別途料金がかかる場合は、その金額も含めて比較するのが確実です。

当社の業務用厨房機器の回収実績

2023年10月〜2026年9月(直近3年間)の作業予定の記録から集計

業務用厨房機器を含む回収64件直近3年間
うち直近1年間51件
単品で回収した料金13,000〜18,000円下の事例(税込)

業務用厨房機器だけを回収した事例

  • 2026年9月2ドアコールドテーブル 約76kg(店舗1階・故障品)18,000円
  • 2026年8月3ドアコールドテーブル 幅180cm(店舗1階・階段作業なし)16,000円
  • 2026年8月2枚扉コールドテーブル(店舗1階)13,000円

集計:株式会社パワーセラーの作業予定の記録(2023年10月〜2026年9月/毎日更新)。件数はほかの品目と一緒に回収した案件を含みます。料金は予定に記録した税込の請求額です。お客様が特定される情報は掲載していません。

よくあるご質問

Q引取証明書は当日もらえますか
A基本的には作業当日にお渡ししています。ただし作業の進行状況によっては、現場でフロン回収まで完了できない場合があります。その際は証明書のみを先にお預けするか、後日あらためて送付するかたちになります。

なおフロン破壊証明書は後日の送付となります。引取証明書とは別の書類ですので、両方が揃うまでお時間をいただきます。
Qフロン破壊証明書は引取証明書と何が違いますか
A引取証明書は「回収したこと」を示す書類、フロン破壊証明書は回収したフロン類が「処理されたこと」を示す書類です。処理は回収の後の工程になるため、発行も引取証明書より後になります。破壊証明書はフロン類破壊業者が発行し、まず第一種フロン類充塡回収業者へ送付されます。充塡回収業者が写しを3年間保存し、その写しが管理者(お客様)へ回付される流れです。なお、法令上の保存義務が定められているのは行程管理票の写しと引取証明書(いずれも3年間)で、破壊証明書そのものに保存義務はありません。引取証明書が届かない場合は、通常30日以内(建物の解体に伴う場合は90日以内)に都道府県知事へ報告する必要があります
Q壊れていて冷媒が抜けている場合も回収は必要ですか
A必要です。冷えないという状態でも冷媒が残っていることが多く、残量の確認は回収作業のなかで行います。抜けているように見えるからという理由で、そのまま配管を切らないでください。
Q「ノンフロン」と書かれた機器はどうなりますか
A自然冷媒を使った機器はフロン類の回収の対象外です。ただし産業廃棄物としての処理は変わらず必要で、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者に引き渡す点は同じです。どちらに当たるかは本体の銘板の冷媒表示で判別します。
Q自分で解体して処分することはできますか
Aできません。フロン類の回収は登録を受けた業者が行う必要があり、配管を切って冷媒を放出すれば法律に触れます。冷媒は高圧のため、作業そのものも危険です。
Q産業廃棄物のマニフェストも必要ですか
Aフロン類の行程管理票とは別に、機器そのものを産業廃棄物として処理する際の書類が必要になります。廃棄物処理法にもとづく産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付が必要です。保存期間は5年間で、A票は交付した日から、B2票・D票・E票は返送を受けた日から起算します。保存義務に違反した場合は6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になり得ます。フロン類の行程管理票(3年保存)とは別の書類ですので、混同しないようご注意ください
Qリース契約の厨房機器はどう扱えばいいですか
A契約内容によって変わりますので、まずリース会社にご確認ください。リース期間中であれば返却となるのが通常ですが、契約年数が経過している場合は買い切りとなっていて、店舗側で処分する必要があるケースもあります。

返却すべき機器を誤って処分すると違約金が発生しますので、着手前の確認が必須です。
Q前のテナントが置いていった厨房機器は誰が処分するのですか
A法律上の決まりはなく、賃貸借契約の内容次第です。現在の借主が負担することもあれば、貸主側が対応することもあります。

ご自身で判断せず、不動産会社を通してオーナー様と交渉されることをおすすめします。誰の負担かが決まらないまま処分を進めると、後から費用の話がこじれます。
Q処分費用はどのくらいかかりますか
Aフロン回収費・搬出の作業費・産業廃棄物としての処分費、そして引取証明書の発行手数料に分かれます。同じ機種でも、設置場所や搬出経路、エレベーターの有無で作業時間が変わります。機器別の目安は機器別の料金表と回収実例、什器や廃棄物もあわせて出す場合は不用品回収の料金表をご確認ください。
Q買取が付くことはありますか
A年式が新しく稼働している機器は買取が付き、処分費用と相殺できる場合があります。目安は5年以内で状態がきれいなものであれば機種を問わず買取の対象になります。7年〜10年経っている機器でも、奥行き60〜65cmのコンパクトなサイズであれば買取が付くことがあります。逆に奥行き80cmの大型機は、中古を購入しない大手チェーンが主な使用先になるため、買取が難しくなります。売れ筋はコールドテーブル、冷蔵ショーケース、2枚・4枚・6枚扉の業務用冷蔵庫、リーチインショーケースで、メーカーはホシザキ・大和冷機・パナソニックが強い傾向です。いずれもコンパクトなものほど評価が上がります。判断がつかない場合は、本体の銘板を撮影してお送りください。
Q閉店が決まっています。いつ依頼すればよいですか
A2週間前までのご依頼をおすすめします。1週間ほど前でも空きがあることはありますが、テナントの明け渡し期日が決まっているのであれば、その日に間に合うよう最も良い日程に合わせられます。フロン回収と産業廃棄物の処理は当日その場で完結する作業ではないため、明け渡し日から逆算してご相談ください。お電話は0120-85-2060です。

閉店でまとめて処分する場合

閉店に伴う片づけでは、フロン対象の機器だけでなく、什器・食器・椅子やテーブル、廃棄物の片づけまでが一度に発生します。日常のごみと閉店時に出る不用品の違いは飲食店から出るゴミや不用品の処分方法で解説していますので、あわせてご覧ください。当社では機器1点からでも、店舗まるごとでも対応しています。

業務用エアコンの取り外しと処分については業務用エアコンの処分費用と手順|取り外し・フロン回収で詳しく解説しています。

店舗まるごとの閉店片付けは店舗・飲食店の閉店片付けをご覧ください。製造から年数の浅い機器は買取査定により処分費用を相殺できる場合がありますので、あわせてご相談ください。

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株式会社パワーセラー代表 臺真樹

著者:臺 真樹(うてな しんじ)
株式会社パワーセラー代表。創業21年(2005年創業)の不用品回収・買取業界で「捨てずに活かす」を実践。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など多数のメディア出演実績あり。あいおいニッセイ同和損保(上限1億円)加入、古物商許可431090015198・産業廃棄物収集運搬業許可(東京都 第1300150656号/埼玉県 01102150656/千葉県 第01200150656号/神奈川県 01400150656)・第一種フロン類充塡回収業者登録(東京都 13106584/埼玉県 第12270040号/千葉県 12A114125号/神奈川県 神(気水) 第1-3724号)保有。代表はNPO法人ロータスチルドレンの理事として、マニラのスラム街で教育支援「TERAKOYA」を運営。詳細はこちら|当サイトの調査・選定ポリシー

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