飲食店から出るゴミや不用品の処分方法は?飲食店別のポイントや注意点も紹介

飲食店は、日々の残飯や揚げ物に使った油などのゴミに加え、特殊な機器も多く、買い替えやの閉店やの際には多くの種類の不用品が出ます。飲食店のゴミ処理は、一般的な店舗や事務所より注意が必要です。処分方法や対応業者が限られたり、高いコストがかかるケースも少なくありません。

この記事では、飲食店の不用品処分および買取の方法や注意点をまとめました。飲食店別でもポイントをまとめたので、これから開店や閉店を控えている飲食店経営者の方はぜひ参考にしてください。

飲食店から出るごみの種類2種

飲食店から出るごみは大きく分けて以下の2種類に分類されます。

  • 事業系一般廃棄物
  • 産業廃棄物

飲食店で日常的に出る生ゴミ・残飯や、ゴミ箱に入れる紙ゴミや割り箸などは「事業系一般廃棄物」となります。それ以外は「産業廃棄物」となります。厨房機器や家具、什器などの大型品はもちろん、食器やメニューなど事業活動に利用したあらゆる不用品は産業廃棄物となります。この記事では日常的にでるゴミの処分方法から、廃業や買い替えで出る不用品の処分方法を説明します。

飲食店から出る毎日の残飯やゴミの処分方法

事業系一般廃棄物として自治体で処分する

飲食店を営んでいれば、通常は残飯やゴミ箱に入るようなゴミが日常的に発生します。これらは産業廃棄物ではなく、基本的に「事業系一般廃棄物」として処分します。

もし新規に日常的に出る残飯やゴミの回収を依頼する場合は、事業系一般廃棄物の収集運搬の免許を持つ業者に依頼する必要があります。なお、自治体が管理する処分施設に自ら持ち込むことも可能です。大型車などで運搬が可能な場合は、合わせて検討しましょう。

事業者からでるので残飯は産業廃棄物ではないか?産業廃棄物の定義を見ると、以下の食品廃棄物が「業種により産業廃棄物となる」とされていますが、いずれも飲食店の残飯には当てはまりません。

  • 動植物性残さ
  • 動物系固形不要物

「動物系固形不要物」とは、屠畜場から出る牛や豚、食鳥処理場から出る鳥の解体後の固形状の不用物を意味します。
「動植物性残さ」とは食品製造業の加工工場などから出る動物や魚貝や野菜のくずなどを意味します。

もう一つ紛らわしいのが、フライヤーで揚げ物に使う油で、以下のように区分されます。

  • 固めるテンプルなどで固めた油は「事業系一般廃棄物」
  • 液体のままの油は「産業廃棄物の廃油」

このように飲食店から出るゴミの収集は、多種多様になるため、事業系一般廃棄物も産業廃棄物の両方を扱える株式会社DSPのような事業ゴミ回収の管理会社に一括でお願いする方法もあります。特に多店舗を運営されている飲食店チェーン店の場合、管理会社を使うコスト的なメリットも大きくなります。

飲食店の日常のゴミを事業系一般廃棄物として自治体で処分するときのメリット

多くの自治体では、Webサイト等にて一般廃棄物収集運搬の許可業者を公表しています。自治体のWebサイトに従って業者を選べば安心です。自分で廃棄物を処分上まで運ぶ場合も、自治体のWebサイトから手続きを確認して進めましょう。

自治体のルールや紹介する情報にしたがって事業系一般廃棄物の処理を進めていけば、意図しない形で法令違反をする心配がありません。なお、自分で処分場まで持ち込む場合には、業者に委託しない分処分のコストを抑えられるのもメリットの一つです。

飲食店の日常のゴミを事業系一般廃棄物として自治体で処分するときの注意点

飲食店から出るゴミを家庭ゴミの集積場に出してはいけません。たとえ個人で営む小規模店舗でも、店舗から出るゴミは事業系一般廃棄物または産業廃棄物です。家庭ごみで出すと不法投棄と見なされますので、絶対に避けましょう。

また、一般廃棄物収集運搬の許可業者に回収を依頼している場合でも、不注意で、産業廃棄物が混ざった状態で処分しないよう徹底してください。飲食店から出る割れた食器などは産業廃棄物です。産業廃棄物と事業系一般廃棄物は処分方法が異なります。

自分で運搬する場合は、大型車やトラックなど運搬方法の確保がネックとなります。汚れた不用品を運搬する場合は、運搬車両が汚れるなどのリスクもあります。食品など厳格な管理が必要なものを運搬する車両を使用する場合などは、衛生面にも注意しましょう。

事業系一般廃棄物として自治体で処分するときの費用目安

事業系一般廃棄物は自治体で上限料金が定められているケースが多いです。こちらも1kgあたりの費用が決まっています。「収集運搬・処分」なので、店舗からの搬出・運搬も含んだ費用です。

一部の自治体の上限金額の例は次の通りです。

自治体費用
東京23区46円/kg
さいたま市240円/10kg
横浜市26円/kg(動物死体・し尿を除く)
大阪市270円/10kg
名古屋市50円/kg

※各自治体により「kgあたり」と「10kgあたり」のルールが混在しているが、各自治体のルールの正確性を優先してそのまま記載

飲食店の廃業などでの不用品回収・買取の方法

事業系一般廃棄物として自治体で処分するときの費用目安

飲食店の廃業などでの不用品を処分する方法は主に次の2点です。

  • 厨房機器を買取業者に買い取ってもらう
  • 不用品回収業者(産廃廃棄物の収集運搬業者)に依頼して処分する

飲食店を含む事業者が不用品を処分する場合、粗大ゴミで出すことはできません。不用品処分の場合は注意しましょう。また、買取業者に買取ってもらう方法もあります。

厨房機器を買取業者に買い取ってもらう

高額な飲食店の厨房機器は、売却可能なケースも少なくありません。処分する場合一般に費用がかかるため、たとえ0円に近くとも、売却した方が理にかなっています。

移転や廃業のコストを抑えるのも大事な観点です。不用品を安易にゴミと決めつけず、売却を打診してみましょう。

業務用設備やオフィス家具などに強みを持つ専門業者であれば、独自の販売先を持っていて、より適正な価格で売れる場合があります。家電やメタルラックなど汎用性の高い設備であれば、一般のリサイクルショップでも値がつくでしょう。

飲食店の不用品を買取業者に買い取ってもらうメリット

買取であれば、不用品処分をしながら現金収入を得られます。飲食店で使用する設備や家具は耐久性の高いものも少なくありません。

特に、調理関連の器具や設備は長期間使用するのが前提となっているため、使用可能な状態であれば高値で売れる可能性も充分にあるでしょう。業務用設備を専門に扱う業者であれば、出張査定のうえ搬出・運搬も行ってくれる業者が多く、不用品処分に手間がかからないのも特徴です。

買取業者をお探しなら当社におまかせ下さい!
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飲食店の不用品を買取業者に買い取ってもらうときの注意点

状態が悪い設備・備品は買取を断られる可能性があります。もしどこにも買い取ってもらえなかった場合は、あらためて産業廃棄物か事業用一般廃棄物として処分することになるため、二度手間になってしまうでしょう。

また、一般消費者向けの汎用品と比べて適正価格がわかりにくいため、割安な価格で売却してしまうリスクがある点にも注意が必要です。時間的余裕があるなら、複数の業者に見積もりをもらって、より有利な価格で売却できる方を選ぶのが賢明です。

家電リサイクル法適用の不用品に注意

テレビや洗濯機などいわゆる「家電リサイクル法」適用の家電については、たとえオフィスで利用していたとしても、同法に則った処分をしなければなりません。家電も粗大ゴミでの処分はできず、さらにほかの産業廃棄物とも処分方法が異なります。処分したい家電がある場合は、家電リサイクル法製品の処分を許可された不用品回収業者に相談するのがよいでしょう。

飲食店の不用品の買取価格の目安

飲食店の不用品は、家庭向けの製品と比べ適正価格が把握しづらいところがありますが、買取価格の目安は次の通りです。状態によりますが1年落ち~6年落ちぐらいが年式の目安です。

商品カテゴリ買取価格
業務用冷蔵庫3~10万円
業務用冷凍庫3~10万円
製氷機3~10万円
ガスオーブンレンジ2~10万円
フライヤー1~5万円
洗浄機1~10万円

世の中での買取事例をいくつかピックアップしました。もともとが高級品であったり、新しかったりすると高値で売却した事例もみられます。

商品名買取価格
マルゼン 2022年製 SSC-05MD スチームコンベクションオーブン30万円
フクシマガリレイ 2021年製 MRS-120FWTR 冷凍リーチインショーケース20万円
ホシザキ 2021年製 JWE-400TUB 食器洗浄機(アンダーカウンター)20万円
ホシザキ 2021年製 HRF-120LAFT3 縦型冷凍冷蔵庫(2凍2蔵)15.6万円
大穂製作所 2021年製 OHGP-Td-1200B ケーキショーケース11万円
ホシザキ 2022年製 HNC-150B-L-B 冷蔵ネタケース7.8万円
SUZUMO お櫃型寿司おにぎりロボット SSG-GTO 寿司マシン4.1万円

不用品回収業者(産業廃棄物収集運搬業者)に依頼して処分する

厨房機器だけでなく、飲食店には椅子やテーブル、その他の不用品が多数あります。不用品回収業者のなかには、産業廃棄物の収集運搬の許可を持つ業者も多数存在します。多種多様な不用品処分に対応しているため、複数の不用品を一括処分する際にも便利です。

飲食店の不用品を回収業者を通じて処分するメリット

大量の不用品が発生するときには、産業廃棄物収集運搬の許可を持つ不用品回収業者を利用するとよいでしょ。特に厨房機器などリサイクル品の買取を同時に行っている業者なら、買取と処分品の選別も行ってくれます。

多くの作業スタッフが店舗まで来て、ゴミの片付け分別や袋詰め作業も行い、不用品を搬出してくれるのも特徴です。手間がかからないため、少人数で経営する飲食店でもスムーズに不用品を処分できるでしょう。

飲食店の不用品を回収業者を通じて処分するときの注意点

業務用冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、業務用エアコンなどフロンが使われている機器(第一種特定製品)を処分する場合、フロン排出抑制法が適用され注意が必要です。

これらの古い機器を処分する場合の流れは、「第一種フロン類引渡受託者」の許可を持った業者に収集を依頼し、機器の引き渡し時に「引渡証明書」をもらい、最終的には後日「フロン破壊証明書」が送付されてきますので保管しておく必要があります。

まだ使える厨房機器で、リユースを前提に買取業者に引き渡す場合はこの法律は適用されません。

パワーセラーのように産業廃棄物収集運搬、第一種フロン類引渡受託者、の両方の許可を持ち、リサイクル品の買取を行っている業者を探すのも良い方法です。

不用品回収業者を利用するときにかかる費用の目安

容量に応じて費用がかかるケースが多く見られます。単純な不用品回収の場合、たとえばパワーセラーでは軽トラック1台分が25,000円、2tトラック1台分が60,000円です。

一方で、多くの飲食店では買取出来る商品が混ざっているケースが多いです。たとえば次の例のように、買取価格と処分費用を相殺して、費用が安くなるケースも少なくありません。

パワーセラーで買取・処分を同時に実施した事例

ダイニングバーの片付け

  • 作業人数:2人
  • トラック:2台
  • 処分合計(運搬費含む):120,000円
  • 買取合計:90,000円
  • お客様へのお支払い : 30,000円

処分内容

  • 製氷機
  • 冷蔵ショーケース
  • テーブル幅60cm四方×6台 椅子20脚
  • ビールサーバー
  • 2槽シンク
  • コールドテーブル
  • グラス、ステンレス食器類
  • その他 ゴミ

パワーセラーでは、不用品回収に加えて買取にも対応しています。売却すべきか処分すべきか悩む不用品も、まずはパワーセラーに相談するのがおすすめです。パワーセラーへの不用品処分・買取については、こちらから詳細を確認してみてください。

回収業者をお探しなら当社におまかせ下さい
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業種別のよくある不用品の処分方法

経営する飲食店のタイプによって、発生しがちな不用品も変わってきます。ここでは次のタイプの飲食店でよくある不用品の処分方法をまとめました。自身が営む飲食店と照らし合わせて、不用品処分の参考にしてください。

  • レストランの不用品
  • 寿司屋の不用品
  • ラーメン屋・そば屋・うどん屋の不用品
  • 寿司屋の不用品
  • 焼き肉屋の不用品
  • 食堂の不用品
  • 中華料理屋の不用品

それぞれ詳しく見ていきましょう。

レストランの不用品の処理方法

レストランは特定の料理に特化した店と比べると居抜き物件で退去できるケースも少なくありません。そのため不用品を処分する前提ではなく、残したまま退去できないか交渉してみましょう。次のように大型の設備で状態が良いものについては、買取業者に売却できる可能性もあります。

  • ワインセラー
  • 業務用冷凍冷蔵庫
  • お酒類
  • 高価な食器

次の不用品は処分になるケースが多いものの、ブランド品や高級品であれば買取可能な場合もあるので、大型設備の売却を依頼するついでに相談してみましょう。

  • キッチン用品
  • テーブル
  • 椅子
  • 装飾品

寿司屋の不用品の処理方法

寿司屋さんもレストランほどではありませんが、居抜き物件として退去する余地は充分にあります。特に都市部の好立地な物件は高級寿司店として経営しやすい側面もあるため、居抜きに応じてもらえる可能性は高いでしょう。

寿司屋は設備や調理器具に高価なものを使用しているケースが多く、他業種と比べると小物でも売却できる可能性があります。

  • 冷蔵ネタケース
  • 大型冷蔵庫
  • 包丁

生魚を調理するために大きなまな板を配置する店舗が多いですが、まな板については処分になるケースが多いと言えます。衛生面のリスクがあるほか、こだわって調達する板前さんが多く、中古品を好まない方が多いのです。

ラーメン屋・そば屋・うどん屋の不用品の処理方法

ラーメン屋・そば屋・うどん屋は立地条件が良ければ居抜き退去も可能です。飲食店のなかでは一般に価格帯が安いラーメン屋・そば屋・うどん屋は、高級品を使用するケースが少ないため処分となる設備や備品が多くなりがちです。

ただし、その中でも次のような設備は売却の余地があります。

  • 業務用冷凍冷蔵庫
  • 麺調理に特化したキッチンシステム
  • ラーメン釜

他方で、次のような備品は処分せざるを得ないケースが多いです。

  • 寸胴鍋
  • 中華鍋
  • キッチン用具

焼き肉屋の不用品の処理方法

焼き肉屋は買取に出せる備品が多くないため、転居による不用品処分の場合は居抜き退去を目指すのが有効です。売却の余地があるのはレジや冷凍・冷蔵庫程度で、そのほかのものは処分になることが多いと言えます。

たとえば、コンロ備え付けのテーブルや七輪などを中古で使用する焼き肉屋さんは多くないため、処分するのが現実的です。たとえば次のようなものが処分対象となります。

  • コンロ付きテーブル
  • 七輪
  • キッチン用品
  • 食器類

食堂の不用品の処理方法

食堂は料理のジャンルにとらわれず開業しやすいため、居抜き物件として売却しやすい飲食店のタイプです。まずは居抜きで不用品処分のコストを下げる工夫を検討しましょう。

備品については、次のようなものは売却できる可能性が充分にあります。

  • 業務用冷凍冷蔵庫
  • お酒類
  • 高級品の食器
  • 調理器具

次の設備・備品は処分になるケースが多いものの、品質がよければ売却できる可能性もありま。

  • キッチン用品
  • テーブル
  • 椅子

中華料理屋の不用品の処理方法

中華料理屋は、ほかのタイプの飲食点への転用が難しいため、居抜き退去しにくい飲食店ジャンルの一つです。そのため、できるだけ設備は売却するのが理想です。しかしながら、売却できる設備も多くないため、退去時の収支という面では、中華料理屋はやや不利と言えるでしょう。

売却できる可能性が高いのは業務用冷凍庫・冷蔵庫ぐらいです。高級品であれば食器類も売却できる可能性はあります。中華鍋や調理器具などは、不用品として処分するケースが多いです。

パワーセラーでは各業種の不用品について買取・処分の双方に対応しています。まとまった量で依頼すれば処分費用を抑えることも可能です。飲食店の不用品処分・買取なら、以下のWebサイトから詳細を確認してみましょう。

>>当社でも業務用冷蔵庫の処分を行っています<<

飲食店の不用品処分・買取における注意点

飲食店の不用品処分・買取においては、次のポイントに注意が必要です。

  • 退去時の撤去条件を確認しておく
  • 産業廃棄物・事業系一般廃棄物を正しく分別する
  • 許認可を得た業者に処分を依頼する
  • 家電リサイクル法のリサイクル料金
  • リース契約している設備・備品がないか事前に確認する
  • 退去日に間に合うよう計画を立てて早めに進める

ルールを理解して正しく処分しなければ法令違反になるリスクがあるほか、賃貸契約・リース契約に違反したり退去日に間に合わなかったりといったリスクもあります。ここから紹介する注意点に充分留意して、不用品の処分や買取を進めてください。

退去時の撤去条件を確認しておく

賃貸契約の物件に入居していて退去にともなう不用品処分の場合は、そもそもの退去条件を確認しておきましょう。一般に、店舗用物件では居抜き物件とスケルトン物件があります。契約書などをよく確認して、入居物件がどちらに該当するか理解しておきましょう。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、内装や設備を残したまま退去する方法です。不用品の処分や原状回復が必要ないため、基本的にコストを抑えられます。契約書で居抜きでの退去が明記されている場合は問題ありませんが、それ以外の場合も一度オーナーに交渉してみるのは一案です。

立地が良かったり、レストランなど汎用性が高い業態であったりすれば、応じてもらえる可能性もあります。なお、居抜き物件において既存の設備など資産を譲渡することを「造作譲渡」といいます。

すべての資産を造作譲渡するのか、たとえば売却可能な資産は売却した上で造作譲渡して良いのかなど、オーナーや次の入居者と丁寧に確認・交渉しましょう。店舗経営者の立場からすれば、売却可能資産は売却できた方が現金収入が得られるのでメリットが大きいといえます。

スケルトン物件とは

スケルトン物件とは、借主が設置した設備や資産を全て撤去して、内装等も元に戻して退去する方法です。基本的に原状回復に大きな費用がかかる契約といえます。原状回復する場合、もともと建物にあった資産である「不動産付帯設備」との棲み分けを明確にして、飲食店経営者が設置した設備のみを撤去するように注意しましょう。

産業廃棄物・事業系一般廃棄物を正しく分別する

産業廃棄物と事業系一般廃棄物を正しく分別して、それぞれの制度に則って処分してください。前半で紹介したとおり、事業者が出す廃棄物は出てくる物質によって産業廃棄物と事業系一般廃棄物に分かれます。

「排出する業種等が限定される」産業廃棄物に飲食店が適用されるものはないので、飲食店のみを営んでいるなら「あらゆる事業活動に伴うもの」に分類される物質が産業廃棄物です。そしてそれ以外は全て事業系一般廃棄物となります。

現実には単一の物質で作られた設備はむしろめずらしく、原材料の割合で個別に産業廃棄物に該当するかを判断しなければなりません。判断に迷う場合は業者に依頼したときに相談してみましょう。また、産業廃棄物と事業系一般廃棄物の両方の処分に対応した業者に頼むのも一案です。

許認可を得た業者に処分を依頼する

事業者の廃棄物は、かならず産業廃棄物もしくは事業系一般廃棄物の処理の許認可をえた業者に依頼しましょう。

無許可の業者に依頼した場合、業者だけでなく依頼主も産業廃棄物法などの違反となります。たとえば産業廃棄物法の違反では、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。

刑事罰を受けるような事態に陥れば、信用力が低下して事業経営をするうえでも大きなダメージとなるでしょう。具体的には以下のような事例が違反項目として定められています。

  • 排出事業者が、一般廃棄物の運搬又は処分を一般廃棄物収集運搬業者・処分業者その他環境省令で定める者以外の者に委託したとき
  • 排出事業者(中間処理業者を含む)が、産業廃棄物の運搬又は処分を産業廃棄物収集運搬業者・処分業者その他環境省令で定める者以外の者に委託したとき
  • 排出事業者(中間処理業者を含む)が、特別管理産業廃棄物の運搬又は処分を特別管理産業廃棄物収集運搬業者・処分業者その他環境省令で定める者以外の者に委託したとき

事業経営者は、正当な業者と取引するのも義務の一つとなっています。そのため正しく許認可を得ていて信頼の置ける業者をしっかり選んで、不用品の処分を依頼しなければなりません。

家電リサイクル法のリサイクル料金

家電リサイクル法のリサイクル料金を理解したうえで、適切に対応しましょう。たとえ事業者でも、家電リサイクル法で定められた4品目は同法の適用を受けます。

  • エアコン(セパレートタイプ(壁掛け型、床置き型)・ウインドタイプ)
  • テレビ(ブラウン管式、液晶・プラズマ式)
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 洗濯機・⾐類乾燥機

リサイクル料金は製品とメーカーによって異なりますが、目安として次のとおりです。

製品リサイクル料金
テレビ1,320円~2,970円
エアコン990円
冷蔵庫3,740円~4,730円
洗濯機・衣類乾燥機2,530円

以上の4製品を処分する場合には、次の方法があります。

  1. 買い換えなら製品を購⼊する⼩売業者に引取依頼
  2. 製品を購入した小売業者へ引取依頼
  3. 産業廃棄物収集運搬許可業者に委託し指定引取場所へ運搬(もしくは自分で運搬)
  4. 廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物処分許可業者により処分を依頼

3の場合は、郵便局で上記の料金を支払って家電リサイクル券を購入する必要があります。また、4で処分する場合、産業廃棄物の処分を⾏う業者が環境大臣が定める告⽰の処分⽅法を満たしている業者である必要があります。また、家電リサイクル法該当の製品とほかの不用品を混ぜて処分できない点にも注意しましょう。

リース契約している設備・備品がないか事前に確認する

リース契約している設備や備品の有無を確認しておきましょう。近年は大型の飲食店向け設備や備品について、リースの形式で設備を借りて利用しているケースが少なくありません。リースを利用すれば大きな資産を購入せずに済むため、店舗経営のコストを抑えられます。

一方で、リース契約していた設備は当然ながらリース会社に返却しなければなりません。誤って処分すれば契約違反となり、多額の違約金・賠償金がかかります。処分を始める前に、リースしていたものと自分の所有物を的確に棲み分けて対処してください。

リースしていた設備の対応は、契約をあらかじめ確認したうえでリース会社と調整しましょう。リース契約が途中解約が難しく違約金等が発生する場合が少なくありません。出来ればリース契約の更新のタイミングと退去・閉業を合わせたほうが、コストを抑えられるでしょう。

退去日に間に合うよう計画を立てて早めに進める

退去日が決まっているなど、不用品処分に明確な期限がある場合は、早めに処分に向けて対応を進めてください。処分方法やタイミングにもよりますが、業者の予約が取れずに処分までに時間がかかるケースが少なくありません。買取では複数の業者と交渉が必要になり、さらに時間がかかります。

退去日が迫れば迫るほど、割高でもスピーディに処分してくれる業者へ依頼せざるを得なくない、コストが増大するリスクがあります。早めのうちから準備をするほど、売却可能な資産は高値で現金化して、処分品は割安に処分できる可能性が高くなるでしょう。

なお、パワーセラーは買取と処分の双方に対応しています。産業廃棄物処分の許認可も持っているため、産業廃棄物に該当する不用品の処分も可能です。パワーセラーでの飲食店の不用品処分についてはこちらを読んでみてください。

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まとめ

飲食店の不用品処分では、高価で大型の設備を中心に売却が可能なものも多くあります。基本的に不用品は産業廃棄物・事業系一般廃棄物に該当し、処分費用がかかります。余裕をもって準備を進め、まずは売却可能な資産を買い取り業者と交渉するのが賢明です。

処分になる資産は産業廃棄物・事業系一般廃棄物を正確に棲み分け、また適切な業者に処分を依頼しましょう。家電リサイクル法に該当する製品の処分は、ほかの不用品とは分けて進める必要がある点にも、注意してください。

買取と処分の対応が煩雑化して困る方は、パワーセラーに相談するのも一案です。パワーセラーなら飲食店の不用品処分と買取を同時並行で進められるため、迅速に処分が完了します。パワーセラーでの飲食店の不用品処分についてはこちらを読んでみてください。

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