拡声器を鳴らして巡回する廃品回収車の騒音規制

拡声器を鳴らして巡回する廃品回収車に迷惑している地域は非常に多く、騒音規制をしてほしいという要望が各地で聞かれます。しかし廃品回収車について知識がないばかりにどうしていいのかわからないという声がほとんどで、対処に困っているそうです。それでは廃品回収車の拡声器がうるさい場合、どのような対応をするのが一番いいのでしょうか?
都道府県ごとに騒音防止の法令がある
拡声器を鳴らして商業宣伝活動をする場合の、騒音の大きさを「○○デシベル数(db)まで」のように規制する騒音防止の法律が都道府県ごとにあります。あまりにもうるさい音の場合、この法令で取り締まり対象になる可能性はありますが、デシベル数を測定することと、証拠を残そうとしている間に、車が走り去ってしまえば、なかなか通報することもできません。
市町村ごとに騒音防止の条例がある
拡声器を鳴らして巡回することを市町村ごとに条例を作って取り締まっている場合があります。「朝や晩の○○時~○○時までは拡声器による宣伝活動を禁止」のような条例がありますので自治体に確認してみましょう。拡声器を使っての営業活動は古くからあり、選挙やさお竹や、ちり紙交換、豆腐屋、灯油販売などいろいろな種類があります。条例は市に直接問い合わせるという対応をしてみてください。
道路交通法では違反ではないので、すぐに警察も動かない
拡声器がうるさくても、ゆっくりと道路を走っているだけでは、道路交通法に違反しているわけでもないため、街にいるパトカーや警官に苦情を言っても、すぐに逮捕してくれるわけではありません。警察の手が回りきらないというのが実情で、廃品回収車の中にはいろいろな地域を巡回しているものもあり通報のタイミングが難しい場合もあります。その場合車のナンバーや車種を覚えておき、それを直接警察に伝えておけば次回来たときの対応もしやすくなりますので、証拠となるものを押さえておきましょう。
違法な廃品回収車は悪質なやり方をするところも多く、被害に遭わないためにも気付いたら迷わず通報するようにしてください。地域によっては通報の呼びかけをしているところもあるようですから、わからないことがあれば市に問い合わせてみるといいでしょう。
関連記事
-
廃品回収業者とのトラブル事例
「無料でなんでも回収します」とトラックでアナウンスしながら、町内を流している廃品回収業者をよく見かけると思いませんか。 許可を得て回収に当たっている業者の数も多いのですが、許可を取らずにそうした活動を行っている業者はというと、きっと膨大な数字になるでしょう。 廃品回収業者とのトラブルも年を追って増えています。 全国の消費生活センター等に寄せられる廃品回収サービスに関する相談件数が2002年度は141件だったものが2006年度には318件になるなど急激な増加を見せています。 相談の内容でトップを占めているのが、「最初は“無料”を強調してたのに作業後に料金を請求された」「口頭で伝えらえた見積りより、はるかに高額な料金を作業後に請求された」など、料金をめぐってのトラブルです。 大型電化製品やテーブルなどの粗大ごみを正規ルートで処理してもらう場合、料金を支払って持っていってもらわなくて
-
廃品回収業者の摘発事例 不法投棄編
2014年に東京都足立区の廃品回収業者が摘発、逮捕された事例をもとに、違法な廃品回収の実態をご紹介しましょう。 その業者は許可がないにもかかわらず、インターネットで客を募って廃品回収を行い、さらに都営アパートのゴミ置き場に違法に捨てるなどしていたとして廃棄物処理法違反の容疑がかけられています。 警視庁の調べでは、「2トントラック積み放題、53000円」と宣伝して廃品回収をしていたとのこと。 この事件の問題点は二つあります。 一つは無許可で廃品回収をおこなっていたこと。 自治体が定めた認可を得ずに回収業務を行うと、廃棄物処理法違反(無許可収集運搬業)で罰せられます。 もう一つの問題点は、回収したものを不法に投棄していたこと。 適正にリサイクルなどが行われるように義務付けた法律が守られず、他人の所有地に投棄することは廃棄物処理法違反(不法投棄
-
廃品回収業者の摘発事例 無許可業者編
家庭で使わなくなったものを有料で引き取ってもらう場合、きちんとした資格をもった業者に頼むことが法律で義務付けられています。 例えば骨董などを買い取るには「古物商」の認可が必要であるように、不用品を回収するには「一般廃棄物収集運搬業」の認可を取得していなければなりません。 認可を得ていない違法業者に回収を依頼すると、ぼったくられたり、不法投棄されるなどのリスクがあります。 最悪、依頼人が警察に容疑をかけられる可能性もありますから、トラブルを避けるために必ず確認が必要です。 特にテレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの処分は、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法、パソコンリサイクル法の縛りがあり、無許可の業者が回収するのは違法になります。 実際に無許可業者が逮捕されるというケースは後を絶ちません。 幾つかその事例を紹介しましょう。 その一つは、2013年、岐阜県警はテレビなどの使
-
フリーガンの存在
フリーガンという言葉を聞いたことがある人はどのくらいいるでしょうか?おそらく社会事情や歴史に詳しい人以外は耳慣れない言葉だと思いますし、どんなことをするのか実態がわからない人がほとんどだと思います。 フリーガンとはもともとアメリカで生まれた思想主義者の総評で、廃棄物を回収しながら生活している人たちのことを指しています。 ニューヨークなどの大都市にはフリーガンの団体も存在し、その思想はものを無駄にしない、環境に悪いことはしないというものだそうです。フリーガンはゴミ捨て場などに捨ててあるものを拾ってきて再利用したり、飲食店のゴミ箱からまだ食べられる廃棄物を拾って食べたりして生活しています。食べ物だけでなく、まだ使えるものを拾って使ったり、NGO団体に寄付をしたりしています。 フリーガンの思想は「ものを無駄にしない」 フリーガンはホームレスとは違い、住居も職業もあるという人も多くお金に
-
さおだけ屋の竿竹商法は儲かるのでしょうか?
さおだけ屋と言えば拡声器を使って移動販売しているイメージが強いと思いますが、その実態は意外とよく知られていません。本当に儲かるの?そもそも時代遅れじゃないの?という声も至るところから聞こえてきますが、未だに全国各地でさおだけ屋は見かけます。 それではなぜさおだけ屋は潰れないのか、ここではその秘密と実際に利用する際の注意点を記載していきたいと思います。 まずはじめにさおだけ屋のもっとも大きな特徴は冒頭でもお伝えしたように拡声器を使って宣伝しながら移動販売を行うスタイルです。このスタイルは通称「竿竹商法」と呼ばれ、石焼き芋屋などその他の移動販売でも多く採用されています。 車にも積めない長さの竿だけは、確かに配達サービスには向いています。しかしそんなにニーズが多いのでしょうか?「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」というベストセラーの本がありましたが、竿だけ屋は、竿だけ
-
選挙カーの拡声器の騒音の法律
選挙期間中に入ると連日選挙カーが朝から拡声器を使って投票を訴えていますが、これが意外と大きな音でうるさいという人も多いと思います。選挙カーによる騒音に関する苦情は各地であがっており、特に夜間仕事をしている人などは日中が寝ている時間になりますので、選挙期間中眠れずにストレスになるケースもあるようです。それでは選挙カーによる拡声器の使用は法律ではどのようになっているのでしょうか? まず答えから説明すると選挙期間中の演説は許可を取って行うものであり、候補者に与えられた権利になりますので法律で規制することはできません。したがってうるさいと感じたからといってそれを妨害したりするとこちらが罪に問われますので注意しなければなりません。もしどうしても何とかしたい場合には個々に防音対策をするようにして、できるだけうるさくない状況を作るしかないでしょう。 しかし選挙カーでの演説は時間が決め



