廃品回収業者の摘発事例 不法投棄編

2014年に東京都足立区の廃品回収業者が摘発、逮捕された事例をもとに、違法な廃品回収の実態をご紹介しましょう。
その業者は許可がないにもかかわらず、インターネットで客を募って廃品回収を行い、さらに都営アパートのゴミ置き場に違法に捨てるなどしていたとして廃棄物処理法違反の容疑がかけられています。
警視庁の調べでは、「2トントラック積み放題、53000円」と宣伝して廃品回収をしていたとのこと。
この事件の問題点は二つあります。
一つは無許可で廃品回収をおこなっていたこと。
自治体が定めた認可を得ずに回収業務を行うと、廃棄物処理法違反(無許可収集運搬業)で罰せられます。
もう一つの問題点は、回収したものを不法に投棄していたこと。
適正にリサイクルなどが行われるように義務付けた法律が守られず、他人の所有地に投棄することは廃棄物処理法違反(不法投棄)に当たります。
他の事例もご紹介しましょう。
2010年、岡山市南区阿津の貝殻山中腹で大量の冷蔵庫が不法投棄されていた事件では、廃品回収に携わる2人の男が摘発され、逮捕されました。
冷蔵庫51台(約2・5トン)をトラックで運び貝殻山に投棄した疑いです。
この業者は認可を得ずに廃品を回収したとして廃棄物処理法違反(無許可収集運搬業)で逮捕されていましたが、新たに不法投棄が発覚したものです。
総社市の女性宅から回収した冷蔵庫が貝殻山で見つかったことから明るみにでたとのこと。
ここから推測できることは、業者が処分費用を浮かすために、利用者から回収した不用品を畑や山の中に不法投棄していること。
最悪の場合、持ち主が不法投棄したと疑われ、罪に問われることもあると聞くとゾッとします。
関連記事
-
無料回収を謳う軽トラの廃品回収業者にお金を請求されることはあるのでしょうか?
軽トラックに拡声器を搭載して住宅街をゆっくりとまわる声を聞いたことがある人は多いと思います。 「エアコン…、冷蔵庫…、洗濯機、パソコン…、コンポ…。…。」 普通は騒音が「うるさい」と思うかもしれませんが、家庭で不用品が溜まってきたときや、引っ越しのときなどは、つい利用したくなるかもしれません。軽トラックで巡回する廃品回収車を利用する際の料金の相場はどのくらいなのでしょうか? お金になる家電は無料の可能性が高い エアコンや、パソコン、液晶テレビやコンポ、ギター、オーディオのアンプなどは、古くても壊れていても、東南アジアの諸国に輸出され、レアメタルとして販売されるか、修理されて製品として販売されていますので、輸出業者まで運べばお金になります。軽トラックの廃品回収業者にこれらの家電を出した場合、拡声器からのアナウンスどおり、無料で回収をしてくれる可能性が高いです
-
廃品回収業者の摘発事例
2013年2月、全国初となる廃品回収業者の強制捜査が行われました。 場所は岐阜県。 この業者は前年から翌年にかけて、一般家庭から市の許可を得ずにテレビや冷蔵庫など使用済みの家電製品を無料で回収し、屋外に野ざらしで積んでいた廃棄物処理法違反というのが摘発の理由でした。 使用済みの家電製品を巡っては、国が前年、取締りを強化していて、その背景には、一部に法律で定められたリサイクルに回されずに「無料回収」をうたう業者によって回収された後、スクラップにされて海外に不正輸出されるというケースが相次ぎ、問題となっていたことが挙げられます。 このため、環境省は前年3月、屋外に野ざらしで積まれている家電製品は「廃棄物」とみなして取締りを強化するよう、全国の自治体に通知していたという経緯があります。 その後も違法の廃品回収業者の摘発は次々と進められましたが、悪質なものとして北海道の逮捕事例をご紹
-
廃品回収業者とのトラブル事例 不法投棄編
地域の役所に粗大ごみや家電回収の手続きをすると、リサイクルに回せるものは回し、処分すべきものは適正に処分してくれます。 でも、作業者が家の中まで入れないというのが難点で、依頼者自身が玄関先などに品物を運ぶ必要があります。 高齢でとてもそんな重労働ができない人にとって、中まで入って運び出してくれる廃品回収業者の引き取り処分は助かります。 でも、巷に多数存在する廃品回収業者の多くが資格を取得していない無認可であると言われており、中には金儲けだけを目的に活動している業者もいてトラブルは後を絶ちません。 本来、回収した廃品は再使用できる物はリユースし、できない物は全て手作業で資源ごとに分別してから中間処理施設で再資源化されます。 リサイクルできないものは最終処分場で廃棄処分されるなど重要なステップがありますが、それには費用がかかります。 廃品回収業者は
-
廃品回収業者の摘発事例 先積み業者編
最近では違法な廃品回収業者とのトラブルをよく耳にします。 中でも多いのが「無料」をうたいながら高額手数料を請求する「先積み」という手口です。 関東の70代の女性は無料回収のアナウンスを流しながらトラックで巡回する業者に、テレビなどの回収を頼んだら、料金を確かめる前に先に荷台に積み込み、終了後に4万円を請求されたそうです。 関東の一人暮らしの70代の女性は、自宅に突然、男性2人が訪問し、物置から自転車2台とストーブを回収してトラックに積み込んだそうです。 そして回収費用として13万円を請求され、怖くなった女性は11万3000円を支払ったとのこと。 こうしたトラブル、特に「先積み」などの被害を解消するため、行政は摘発に力を入れています。 無許可で全国展開を行っている廃品回収業者が廃棄物処理法違反(無許可営業)などの容疑で逮捕されたのもその一例です
-
空き缶を集める商法は儲かるのでしょうか?
空き缶を集めると聞くとホームレスの人が夜な夜なゴミ箱などから集めているイメージがありますが、実は空き缶を集める商法というのが存在しており、集めることにはきちんとした目的があるのです。まず集めた空き缶は何に使われるのかというと、新たにリサイクルするためで新しいアルミ缶に使われたり、自動車の部品になったりと実に様々な使い道があるのです。 そして空き缶を回収する業者もきちんと存在しており、スーパーなどに行くと空き缶を入れる専用の回収箱が置いてあることがありますが、こういったところに溜まった空き缶は業者が回収してリサイクルするのです。基本的にリサイクル専門の業者が自治体から依頼を受けて行っていることが多く、ホームレスの人が集めたものも最終的には業者が回収するようになっています。また空き缶は各家庭で分別して捨てるようになっていますし、地域によってはリサイクルに積極的で業者と協力して集
-
廃品回収業者の摘発事例 無許可業者編
家庭で使わなくなったものを有料で引き取ってもらう場合、きちんとした資格をもった業者に頼むことが法律で義務付けられています。 例えば骨董などを買い取るには「古物商」の認可が必要であるように、不用品を回収するには「一般廃棄物収集運搬業」の認可を取得していなければなりません。 認可を得ていない違法業者に回収を依頼すると、ぼったくられたり、不法投棄されるなどのリスクがあります。 最悪、依頼人が警察に容疑をかけられる可能性もありますから、トラブルを避けるために必ず確認が必要です。 特にテレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などの処分は、家電リサイクル法や小型家電リサイクル法、パソコンリサイクル法の縛りがあり、無許可の業者が回収するのは違法になります。 実際に無許可業者が逮捕されるというケースは後を絶ちません。 幾つかその事例を紹介しましょう。 その一つは、2013年、岐阜県警はテレビなどの使