スプレー缶の捨て方|穴あけ不要?中身ありの安全処分法【2026年版】

スプレー缶の処分方法

ヘアスプレーや制汗スプレー、殺虫剤などのスプレー缶の分別と処分は、どのようにすればいいかご存知でしょうか?

スプレー缶は適切な処分をしないと、火災や爆発を引き起こす危険があります。2018年12月には札幌市で消臭スプレー約120本を屋内で噴射した直後に給湯器を点火し、爆発火災で52名が負傷する事故も起きています。本記事では消費者庁・環境省・東京消防庁などの一次情報をもとに、最新ルールでスプレー缶の正しい処分方法を徹底解説します。

著者プロフィール
株式会社パワーセラー代表。リユース・リサイクル事業で「捨てずに活かす」を実践。不用品回収や遺品整理を通じて環境と社会に貢献。スーパーJチャンネルなどメディア出演も多数。詳細はこちら

スプレー缶の基本ルール

スプレー缶の中には可燃性の高圧ガス(LPG・DME等)が含まれているため、そのまま捨てるとごみ収集車や処理場での爆発・火災を引き起こします。東京消防庁の統計では、スプレー缶等が原因の火災は2020〜2024年の5年間で全国533件発生しており、依然として高水準です。

処分のルールは大きく分けて3つです。

  • 中身は火気のない屋外で使い切る(または出し切る)
  • 穴あけは絶対にしない(現在は環境省・消防庁・首都圏全自治体が「穴あけ禁止」)
  • 他のごみと混ぜず、別の透明袋に入れて出す(自治体ごとに分別区分が異なる)

「穴あけは絶対にしない」が現在のルール

⚠ 絶対に穴を開けないでください

従来は「穴を開けてから捨てる」と教えられてきましたが、環境省は2018年12月27日付通知で「穴あけ不要」を全国の自治体に指導しました。きっかけは穴あけ作業中の火災事故が多発したためです。東京消防庁管内だけでも、平成20年から平成29年までの10年間で穴あけ起因の火災が260件発生しています。

首都圏の主要自治体は現在、すべて「穴あけ不要・禁止」のルールに移行しています。「穴あけ器」「キリ」「ドリル」での穴あけは絶対に行わないでください。

スプレー缶の正しい捨て方

スプレー缶の処分は、大きく次のステップで進めます。

  • ① 中身を使い切る、または火気のない屋外で出し切る
  • ② 「中身排出機構(ガス抜きキャップ)」を使って残ガスを抜く
  • ③ 自治体ルールに従って分別・排出する

ステップ① 中身を使い切る・出し切る

最も安全なのは普段の使用で使い切ることです。中身が残っている場合は、火気のない風通しの良い屋外でノズルを押し続け、「シュー」という音が消えるまで噴射します。

絶対に守るべき安全ポイント:

  • 屋内・換気の悪い場所では絶対に作業しない(札幌爆発事故の最大の教訓)
  • ライター・タバコ・コンロ・暖房器具・給湯器など火気から離れる
  • 風上に立ち、ガスを吸い込まないよう注意する
  • 近隣の窓を閉めてもらう、屋外の通行人への配慮も忘れずに

ステップ② ガス抜きキャップ(中身排出機構)を使う

2017年以降に製造されたスプレー缶のほとんど(約99%)には、ガス抜き専用のキャップ(中身排出機構)が装着されています。キャップの裏側や別パーツに「ガス抜き用」と表示されており、これを使えば誰でも安全に残ガスを排出できます。

使い方は製品により異なりますが、多くはキャップを差し込んで回すだけです。製品のラベル・取扱説明をよく読んで、火気のない屋外で作業してください。

ステップ③ 新聞紙に吸い込ませる方法(条件付き)

塗料スプレーや化粧品スプレーで「周辺を汚したくない」場合は、屋外で新聞紙やトイレットペーパーに吸い込ませる方法もあります。日本塗料工業会も塗料スプレーについてこの方法を案内しています。

ただし以下の注意が必要です。

  • 大きめのビニール袋や紙袋に新聞紙を多めに敷き、少量ずつ噴射する
  • 密閉空間ではガスが滞留して引火するため、必ず火気のない屋外で作業
  • 亜麻仁油などの乾性油成分を含むスプレーは要注意。紙に吸わせた状態で集積すると、酸化発熱で自然発火する事例があります(化学製品PL相談センター)
  • 油性塗料・乾性油成分の場合は、水を含ませてからビニール袋を密閉し、可燃ごみに出すのが安全

捨てる際の安全ポイント

スプレー缶を処分する際は、以下の3点に特に注意してください。

火気のない屋外で作業する

スプレー缶のガスは可燃性で、目に見えない状態で空気中に滞留します。風通しの悪い屋内・浴室・車内・物置などでガス抜きを行うと、わずかな火花でも引火する危険があります。2018年の札幌爆発事故も、密室での大量噴射と給湯器点火が原因でした。

作業の際は必ず風通しの良い屋外で、風上に立ち、ガスを吸い込まないようにしましょう。シンクや排水溝の凹部にガスが滞留する事例もあるため、洗面所や台所での作業も避けてください。

静電気対策(服装は補助的)

スプレー缶のガスは静電気の火花でも引火するため、服装の摩擦による静電気にも注意が必要です。

  • 静電気が起きにくい素材:綿、麻(帯電列の中央付近で帯電しにくい)
  • 静電気が起きやすい組み合わせ:アクリル+ウール、ナイロン+ポリエステル(帯電列で離れた素材の組み合わせ)

ただし服装よりも重要なのは作業環境です。湿度のある日に屋外で作業する、作業前に金属に触れて放電する、こうした基本対策のほうが効果は大きいです。服装は補助対策として、可能な範囲で綿・麻素材を選ぶ程度で十分です。

中身が出せない場合は専門窓口に相談

ノズルが詰まって噴射できない、ボタンが押せない、長期保管で劣化しているなど自分でガス抜きができないケースでは、無理に作業せず以下の窓口に相談してください。

  • 日本エアゾール協会 電話:03-5207-9850(平日10:00〜17:00)
  • 各自治体の清掃事務所・コールセンター
  • 不用品回収業者(まとめて処分可能)

首都圏主要自治体の処分ルール

スプレー缶の分別区分・中身残量の扱い・回収頻度は自治体によって大きく異なります。当社の対応エリアを中心に、首都圏主要自治体のルールを一覧にまとめました。

東京都

自治体分別区分中身入り注意点
新宿区資源(独立袋)○「中身あり」貼り紙穴あけ禁止、週1回
港区不燃ごみ(別袋)○大量時は事務所相談袋に「キケン」「スプレー缶」表記
世田谷区不燃ごみ(別袋)○「中身あり」追記穴あけ絶対禁止、月2回
品川区陶器・ガラス・金属ごみ△中身入り3本まで消防庁指導により穴あけ禁止
江東区燃やさないごみ(3種別袋)×使い切り残った場合は日本エアゾール協会へ相談
町田市資源ごみ(一般地区)/有害ごみ(特別地区)×使い切り必須住所により扱い異なる

神奈川県

自治体分別区分中身入り注意点
横浜市独立区分「スプレー缶」×使い切り原則透明袋、週2回、出し切れない場合は資源循環局事務所へ相談
川崎市空き缶(資源物)、出せない場合は「小物金属」×使い切り原則「中身入り」表示で小物金属へ、穴あけ不要

埼玉県

自治体分別区分中身入り注意点
さいたま市有害危険ごみ(種類別の透明袋)○「中身あり」貼り紙穴あけ絶対禁止、週1回、収集所のはじに
川口市金属類×使い切り原則布や新聞紙に染み込ませる方法も案内、穴あけ禁止

千葉県

自治体分別区分中身入り注意点
千葉市有害ごみ(種類別の透明袋)△3本まで「残量あり」貼り紙で可月2回、ステーションの端に出す、穴あけ不要
市川市燃やさないごみ(指定袋)×使い切り必須穴あけ不要
船橋市資源ごみ(カン)、塗料スプレーは不燃×使い切り必須麻袋(PP袋)に入れる、穴あけ禁止

※ルール変更の可能性があるため、実際の処分時には必ず各自治体公式サイトで最新情報をご確認ください。

種類別のスプレー缶処分

スプレー缶は中身の種類によって、処分時の注意点が異なります。

ヘアスプレー・制汗・消臭スプレー

最も一般的なタイプ。火気のない屋外で「シュー」という音がしなくなるまで噴射→ガス抜きキャップで残ガス排出→自治体ルールに従って排出します。密室・浴室・車内での使用・ガス抜きは絶対に避けること。

殺虫剤スプレー

中身に人体に有害な成分が含まれるため、屋外の風上から風下に向けて、マスクを着用して噴射してください。自治体によって「不燃ごみ」か「有害ごみ」か区別されているので、お住まいの自治体ルールを必ず確認しましょう。

塗料スプレー

日本塗料工業会の推奨は「火気のない屋外で、新聞紙などに塗り広げ、完全に乾かしてから処理する」方法です。乾燥後の紙は可燃ごみとして処分します。船橋市など一部の自治体では塗料スプレー缶を「不燃ごみ」と区別しているので注意してください。

食用油スプレー

油の部分は布や紙に吸わせて凝固剤等で固めて可燃ごみへ。缶の部分はガス抜き後に通常のスプレー缶ルールで処分します。油を吸わせた紙・布を放置すると不飽和脂肪酸の酸化発熱で自然発火する事例があるため、水を含ませてポリ袋密閉が安全です。

防水スプレー

処分よりも使用時の健康被害リスクが高い製品です。中身に含まれるフッ素樹脂・シリコーン樹脂を吸い込むと、肺胞に付着して呼吸困難・過敏性肺炎を引き起こすことがあります(日本中毒情報センター注意喚起)。屋外でマスク着用、風下立ち入り禁止、一度に大量に使わないことが大前提です。

古いフロンガス入りスプレー缶(1980年代以前)

1980年代以前のスプレー缶にはフロン(CFC)が含まれている可能性があり、一般廃棄物として処理できません。物置・倉庫から発見されたら、製造メーカーまたは自治体の専門担当に必ず相談してください。

大量・処分困難なスプレー缶

引越し・遺品整理・物件買取・店舗整理などで、数十本以上のスプレー缶が一度に出てきた場合、1本ずつ屋外でガス抜きするのは時間的・安全的に困難です。また、ノズル詰まりで噴射できない、ラベルが剥がれて中身が分からない、長期保管で劣化しているなどのケースも多く発生します。

こうした場合、無理に自宅で処分しようとせず、不用品回収業者にまとめて依頼するのが最も安全で効率的です。当社パワーセラーは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の産業廃棄物収集運搬業許可および古物商許可を保有しており、大量のスプレー缶も他の不用品とまとめて引取可能です。料金は不用品回収の料金表をご参照ください。

少量で運搬可能であれば持ち込みでの処分もご検討ください。

>>当社でのスプレー缶の不用品回収料金はこちら<<

スプレー缶処分前のチェックリスト

  • □ スプレー缶の本数を確認
  • □ 中身の種類(化粧品・殺虫剤・塗料・食用油・防水等)を確認
  • □ 自治体の分別区分・中身残量の扱いを確認
  • □ ガス抜きキャップ(中身排出機構)の有無を確認
  • □ 火気のない風通しの良い屋外で作業する場所を確保
  • 絶対に穴を開けない(現在は環境省・消防庁・首都圏全自治体が穴あけ禁止)
  • □ 屋内・換気の悪い場所での作業はしない(札幌爆発事故の教訓)
  • □ 中身が出せない場合は日本エアゾール協会(03-5207-9850)または自治体に相談
  • □ 大量処分の場合は不用品回収業者の見積もり取得

パワーセラーのスプレー缶処分サービス

当社パワーセラーは、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の産業廃棄物収集運搬業許可および古物商許可を保有し、創業22年・年間6万点以上の取扱実績を持つ不用品回収・買取業者です。スプレー缶は引越し・遺品整理・空家整理・店舗閉店オフィス整理などで大量に出ることが多く、家具・家電・粗大ごみとまとめて引取することでトータルコストを抑えられます。

「ガス抜きが不安」「大量にあって自治体回収では追いつかない」「他の不用品と一緒に処分したい」など、お気軽にご相談ください。電話・LINE・お問い合わせフォームからの見積もり無料です。

>>東京・神奈川・千葉・埼玉エリアでスプレー缶の回収処分はパワーセラーへ<<

よくある質問(FAQ)

Q. スプレー缶は穴を開けてから捨てるのですか?

いいえ、現在は絶対に穴を開けないでください。環境省は2018年12月の通知で「穴あけ不要」を全国の自治体に指導しており、首都圏の主要自治体はすべて穴あけ禁止のルールに移行しています。穴あけ作業中の引火事故が多発したためです。火気のない屋外で中身を出し切れば、穴を開けなくても安全に処分できます。

Q. 中身が残ったままのスプレー缶は捨てられますか?

原則は「使い切ってから」ですが、自治体によって扱いが異なります。新宿区・港区・世田谷区・品川区・千葉市・さいたま市などは「中身あり」と表示すれば中身入りでも収集してくれます。一方、横浜市・川崎市・市川市・船橋市は「使い切り」が原則です。詳しくは本記事の自治体別ルール表をご確認ください。

Q. ノズルが詰まって中身が出せません。どうすれば?

無理に分解したり、穴を開けたりせず、日本エアゾール協会(電話:03-5207-9850、平日10:00〜17:00)またはお住まいの自治体の清掃事務所にご相談ください。当社でも引取対応が可能です。

Q. 屋内でガス抜きをしても大丈夫ですか?

絶対にやめてください。2018年12月の札幌爆発事故(負傷52名)は、屋内で消臭スプレー約120本を一斉噴射した後、給湯器を点火した瞬間にガスが引火したものです。スプレー缶のガスは空気より重く、室内に滞留して引火源を待ち構える状態になります。必ず火気のない風通しの良い屋外で作業してください。

Q. 静電気が起きにくい服装は本当に効果がありますか?

綿・麻は静電気が起きにくく、アクリル+ウールやナイロン+ポリエステルのような帯電列の離れた組み合わせは静電気が起きやすいというのは科学的にも正しいです。ただし服装よりも作業環境(屋外・火気なし・換気・湿度)が圧倒的に重要です。服装は補助対策と考えてください。

Q. 新聞紙に吸い込ませる方法は安全ですか?

塗料スプレーや化粧品スプレーでは有効な方法です。ただし、亜麻仁油などの乾性油成分を含むスプレーで紙に吸わせた状態で集積放置すると、酸化発熱で自然発火する事例があります(化学製品PL相談センター)。作業後は水で湿らせてからビニール袋に密閉し、可燃ごみとして出すのが安全です。

Q. 大量のスプレー缶を処分したいです。

引越しや遺品整理で数十本以上出てきた場合、1本ずつ屋外でガス抜きするのは現実的でなく危険です。不用品回収業者へのまとめての依頼が最も安全・効率的です。当社では家具・家電とのセット引取で割安に対応しています。

Q. 古い(1980年代以前の)スプレー缶が出てきました。

古い製品にはフロンガス(CFC)が含まれている可能性があり、一般のごみとして処分できません。製造メーカーまたは自治体の専門担当にご相談ください。当社でも適切な処分方法をご案内できます。

不用品の持込処分

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